転職の面接での逆質問を解説!ポイントは相手、内容、伝え方!

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面接で職務経験もあり、人柄も良い、仕事の意欲も十分だと思ったが最後に「残業はありますか?」と聞かれて今まで話していた内容に疑いが生じた。

面接の途中まで採用するか迷っていたが、最後の応募者からの質問で会社や仕事について良く調べており応募者なりの入社後の取組や考えから、意欲の高さを感じそのまま採用に至った。

以上は私が転職エージェントとして採用面接後の面接官から聞くことのある内容です。実際に中途採用の面接ではこのような事が起こり得ます。

応募者からの質問は「逆質問」と言われており、事前に調べた上で相手に質問ができるので応募企業へ意欲が伝わり、非常に高い評価につながります。

今回は誰に何を聞くか、どのように聞くかという視点から面接における重要な要素である逆質問を解説したいと思います。

相手によって質問内容は変えるべき!

逆質問において忘れてはならない大前提があります、それは質問をする相手によっては答えられない内容があるという事です。

もしあなたが面接官だとして応募者に自社の評価制度や経営戦略について教えて下さいと言われても困ると思います。逆に日々の業務について教えて下さいと言われれば簡単に答えることができるでしょう。

このように面接での逆質問は面接官の担当領域以外の面接はしないで下さい。もし、そのような質問をしようものなら社会人として相手の状況を理解できない人と思われ面接での評価は悪くなります。

それでは誰にどんな質問をすべきなのでしょうか?中途採用においては、大きく分けると役職や職種別に次の3パターンの面接官が想定されます。

  • 人事担当者
  • 現場のマネージャー
  • 社長や役員等の経営層

次にパターン別にどのような質問をするべきか解説します。この点は逆質問を行う上での大前提なのでしっかりと理解して下さい。

人事担当者

採用、教育、評価といった人事業務を行っているため、それらに該当する質問には答えられます。加えて管理系職種なので組織全体を一歩引いた形で見ているため企業に関する見解も持ち合わせている事が多いです。

具体的には次のような内容の質問に答えられます。

  • 評価、教育等の人事制度
  • 応募企業における平均的なキャリアプラン
  • マネージャー等の平均年齢や勤続年数
  • 社内の雰囲気や企業文化

逆に業務内容や必要な経験、スキル、さらに経営上の戦略などは求人票レベルの内容しか答えられない可能性が高いので、質問するべきではありません。

現場のマネージャー

入社後にあなたの上司になる可能性が高い人物です。現場の最前線にいるため、入社後のあなたの仕事に関する事は全般的に質問が可能です。

さらに商品/サービス、顧客といった業務レベルでは非常に高レベルの視点を持っている為にその点でも質問が可能です。具体的には次のような内容の質問が該当します。

  • 商品、顧客、地域、仕事の進め方等の業務内容
  • 目標値、残業、休日出勤等の入社後の具体的な働き方
  • 部署内で活躍している人たちの共通点
  • 業務レベルでの商品、競合、顧客に対する独自の見解

注意する点は給与や評価、キャリアプラン等の人事に関すること、戦略等の経営に関することは職務領域外なので聞くべきではありません。

社長や役員等の経営層

社長や役員といった方たちは経営や組織という観点を持って職務を行っています。業務を何年も経験した上で現在の職位についているわけですが、具体的に聞くべき内容は次のようなものです。

  • 特に力を入れていく事業領域
  • 自社の中長期の戦略
  • 業界における将来の展望

経営層に関する質問は1言でいうなら会社をどう運営していくか?という事につきるのです。ただ社長の場合は人間性を重視する方も多いため、場合によっては応募企業で働く上で必要な考え方といった事を聞くのも効果的です。

経営層は経験から職務内容には精通しておりますが、それが現在の応募企業での職務を理解しているとは別の話になるので、仕事内容など具体的な質問は避けた方がベターです。加えて人事担当者にする質問も領域外なのでやめておきましょう。

職務内容と企業利益にフォーカスする

以上のように質問する相手と内容は常にリンクしているので、相手に合わせて聞く内容を変えるべきですが逆質問に共通した点が1つあります。それは、応募者にとって聞く必要性がある質問かどうか?という事です。

例えば、第二新卒を始めとした20代の若手が役員面接で応募企業の戦略を聞くことがありますが、役員からすればそれを聞いてどうするのかが理解できないケースが多いのです。

応募者は視点の高い質問だと自己満足していても、役員からすればその若さで戦略を聞いて何を判断するのかが理解できないので、質問するための質問と思われ評価は低くなります。

企業はあくまであなたの働きによって利益を上げる事を目的としています。その為にはあなたは職務内容につながる質問、特にそれが利益を生む事に直結するような内容でなければ意欲は感じられません。

いくら給与や福利厚生等の条件が仕事のパフォーマンスを左右されると言われても、逆質問において条件を聞く人と、商品の優位性を聞いてくる人では仕事に対する意欲の違いは一目瞭然です。

先の役員への質問の例も含めて「職務内容に関係がある」、「企業利益に繋がる」という2点にフォーカスして逆質問を考えて下さい。

どのように聞くべきか?

逆質問をする相手と内容について説明しましたが、説明した内容を聞けばそれでOKかと言えばそうではありません。聞き方によっては不採用につながる危険性があるのです。

不採用につながるNGな質問の仕方

実際にNGと言える聞き方の共通点は何でしょうか?それは、「事前に調べていない、考えていない事が伝わる聞き方」です。具体的には次のような質問です。

  • 御社の評価制度はどのようなものですか?
  • 御社の顧客はどのような方たちですか?
  • 御社がこれから力を入れていく事業領域は何ですか?

これらの質問に共通していることは、一方的な聞き方でまるで他人事のような質問の仕方である点です。そしてそれは質問内容に関して事前に自分で調べ、考えた事が無いという事を暗に相手に伝えてしまっている事です。

あなたにそのような意識が無くとも、相手にそのように感じてしまうので前述した質問の仕方は絶対に避けて下さい。

意欲を感じる質問の仕方

それではどのように聞くべきなのでしょうか?答えは自分の調べた内容、意見を盛り込んで逆質問をするという事です。先程の質問なら下記のように変える事ができます。

ちょうど人事担当者、現場マネージャー、経営層と例文を分けているので、1つずつ解説していきたいと思います。

人事担当者に対する逆質問

評価制度についてお伺いしたいことがあります。現在の会社は人事部門が無い為、評価制度が存在せず社長の一存で評価は決まっておりました。

御社のWEBサイトで評価体制の概念図は拝見したのですが勉強不足のため、どのような評価体制なのかお教え頂いても宜しいでしょうか?

まず自分の状況を伝えることで、評価体制を知りたい理由を説明しています。さらに評価体制を知るために応募企業の情報を確認した事を伝えることで能動的な姿勢をアピールできます。

注意点として事前に評価制度が存在している企業でなければ逆に印象が悪くなります。さらに応募者が評価制度を重視しているということでミスマッチになるので不採用とされる事にも注意して下さい。

今回の例文は評価制度でしたが、マネージャーの平均年齢や企業文化など人事に質問する内容はあなたの興味関心を伝える事になります。その場合は現在の状況を伝える部分でミスマッチが発生する可能性があるので気をつけて下さい。

現場マネージャーに対する逆質問

御社の商品である◯◯の顧客について質問させて下さい。御社のWEBサイトや求人票では部品メーカーを中心として法人とありました。

インターネットや業界紙◯◯を見た限りでは提案先は技術部門のみならず、購買部門、営業部門にも及んでおりました。実際は顧客のどの部門に対してどのようなアプローチをされていらっしゃるのですか?

上記の質問ではインターネットや業界紙を使って応募企業の仕事を研究した事が伝わります。これは営業職の事例なので、顧客とアプローチという営業にとっては重要な部分を質問することで応募先への意欲を伝えているのです。

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現場マネージャーでの面接においては、具体的に仕事をイメージできているか?そして、どの部分が仕事におけるキモなのかを今一度考えてみる事で、より具体性のある逆質問ができます。

社長や役員等の経営層に対する逆質問

御社の事業領域について質問させて下さい。先日、業界紙である◯◯にて御社の競合であるA社が物流会社B社と一部業務で提携すると発表しておりました。

今回応募しているC部門が属する事業においてもインフラ、技術等でこれから特に注力していく部分があるようでしたら是非お聞かせ下さい。

経営層に関しては直接的に戦略を聞くことも1つですが、例文では競合という点を出発点としてインフラ、技術など具体的なキーワードで質問しています。これ位の内容なら、業界紙の閲覧含め経営層に対する逆質問のレベルとしては合格点です。

加えて、重要なポイントは単に戦略を聞きたいのでなく応募した職種に関わるかを知りたがっている点です。

事業において注力する点が変われば、職務内容にも変化が表れます。仕事をする上でその点を意識している事は質問の中で感じさせる必要があります。

逆質問のまとめ

逆質問に関して相手、内容、言い方という点で解説してきました。最後に忘れて欲しくないのが、逆質問はあくまで面接における付属的なものだと言う点です。

面接官によっては応募者の質問を要求しない事もありますし、何より面接の基本質問である職務経歴、志望動機、転職理由といった内容こそあなたをアピールする最大の内容となるのです。

実際、基本質問を突き詰めていけば入社後の働き方を想像するためは、今回解説したような逆質問は自然とできるはずです。

今回解説して逆質問の内容も大きな面接のひとつの項目として捉えた上で面接に望んで下さい。